A:銀行預金についても、他の相続財産と同様に、遺産分割協議や遺産分割調停・審判において分割割合が決定されていることを証明しなければ、預金の払い戻しはできないと考えるべきです。預金名義人が死亡した事実を銀行が知った場合、その預金口座は一旦凍結されてしまうことが多いため、相続人の一人が自分の持分相当額だけを勝手に引き出すことはできないと考えたほうがよいでしょう。
判例は一貫して預金債権は遺産分割協議を経ずに当然分割されるとの立場ですが(※1)、銀行実務では実際上のトラブルを防ぐため、慎重な対応をしているのです。
※1 最高裁判所判例 昭和29.4.8、昭和30.5.31
A:タンス預金などの現金も、他の遺産と同様に遺産分割協議を経なければなりません。したがって、現金を管理している相続人の一人に対し、当然に取り分を請求できるわけではないので注意して下さい。
A:いくつかの場合が考えられますが、亡くなった方(被相続人)が保険契約者であり、遺族(相続人)の一人を保険金受取人に指定していたような場合には、保険契約の効力として指定された者が保険金を取得することになります。これは相続とは無関係の事情ですから、たとえ相続放棄をしていたとしても生命保険金を取得することができます。取得するとした上で、特別受益として考えるべきかどうかは事案ごとに判断せざるをえないでしょう。
亡くなった方ご自身が、自分を受取人として生命保険をかけていたような場合は、遺族(相続人)が受取人としての地位を相続により取得するということになりますから、その他の相続財産と同じく遺産分割協議が必要となります。
A:認知されていなければ、相続権はありません。この場合、未認知の子は実の父に対して認知をするよう家庭裁判所に請求することができます。認知請求は実の父が死亡している場合でも可能ですが、実の父が死亡してから3年以内に申し立てる必要があるので注意してください。
A:夫が妻の家に入って、いわゆる「婿養子」となった場合でも、妻の両親が有する財産についての相続権は原則ありません。夫と妻の両親は確かに親族(姻族)ではありますが、夫は妻の両親の子となるわけではないからです。
夫の方にも相続権を持たせてあげたい場合、夫と妻の両親との間で養子縁組関係をする必要があります。
A:祖父−父−孫という三代の関係において、父が既に亡くなっており、そのあとで祖父が死亡した場合、孫は祖父の遺産を相続する権利があります。これを代襲相続(だいしゅうそうぞく)といいます。要するに中間の相続人(親)が先に死亡していた場合でも、その子は親に代わって相続権を有するという制度です。代襲相続は配偶者には認められておらず、兄弟姉妹については一代に限り認められます。範囲がやや分かりにくい面もありますので、まずはご相談下さい。
A:排除と異なり、法律で規定する事情に該当した人が当然に相続権を失うというものです。ただ、相続欠格により相続権を失うのは該当者本人だけです。該当者の子については独自の相続権がありますから、該当者が既に死亡しているようなケースでは子の代襲相続が可能です。
A:亡くなった方の借金など、マイナス資産についても相続の対象となります。基本的には法定相続分に従って分割されますが、遺産分割協議によって割合を変えることも可能です。もっとも、特定の相続人に負債を集中させたとしても、債権者の同意がなければ債権者にその割合を主張することはできません。
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