相続放棄の方法自体は、それほど難しいものではありません。相続放棄を申述するための参考書式は裁判所のホームページなどにも公開されていますし、ご自身で裁判所や区役所に問い合わせるなどしながら、必要事項を記入した書面を家庭裁判所に提出する事は十分可能かと思います。
相続関係を証明する戸籍・除籍謄本が複数の市町村にまたがっているような場合、方々の役所から取寄せをかける必要があるので少しややこしくなってきますが、これも個人で対応可能な範囲でしょう。
では、弁護士に相続放棄を依頼することのメリットは、どういった点にあるのでしょうか。
もちろんこういった書類作成や戸籍の取寄せといった作業も、日々忙しくお仕事や家事をされている方にとっては負担感のあることかもしれません。万一書類に不備があると手続きが進みませんから、専門家である弁護士に全ての手続きを任せてしまえるということは十分メリットのある事柄と思います。
また場合によっては、相続放棄した後に亡くなった方の債権者が家にやって来たり、相続放棄したことの証明をしつこく求めてきたりと、相続放棄した後で事実上面倒な対応が必要となってくる場合があります。
相続放棄をすると最初から相続人でなかったことになりますから、亡くなった方の債権者が何を言ってきても、もちろん法的な支払義務は一切ありません。とはいえ、こういったトラブルに巻き込まれてしまうようでは、一体何のために相続放棄したのか分からなくなってきてしまうこともあるでしょう。
当事務所で相続放棄をお引き受けした案件については、こういったことが相続放棄後にあった場合でも、程度にもよりますがアフターサービスとして相談して頂くことが可能となっております。
相続放棄することのそもそもの目的ということを考えた場合には、こういった後々のトラブルの可能性に対する備えという観点からも、全てまとめて弁護士に依頼しておくという選択肢について検討していただければと考えています。